アトピー性皮膚炎治療研究会 第26回シンポジウム

会頭挨拶

開催のご挨拶

こんにちは。
このたび、第26回アトピー性皮膚炎治療研究会を栃木において開催することとなりました。
この文章を書いておりますのは2020年の4月ですが、ご存知のように、コロナウィルス感染症で世の中が
一変してしまったところです。
そうはいっても、他の病気がなくなるわけではなく、本研究会の主題でありますアトピー性皮膚炎で苦しむ患者さんはこれまでと同様、たくさんいらっしゃいます。我々は我々のできることを粛々と実行していくことが必要、ということになります。

2018年にアトピー性皮膚炎に対する初の生物学的製剤であるデュピルマブが本邦でも使用可能となり、今年はJAK阻害剤含有軟膏が使用可能となり、と、現在、アトピー性皮膚炎の治療薬はどんどん開発が進み、これからも新規薬剤がつぎつぎに出てくる(であろう)状況にあります。デュピルマブで経験したように、これ以降の新規薬剤は、古典的なステロイド外用薬による治療効果と比較して、より有効性が高いと予測されます。
もしかしたら、これから皮膚科医になる先生たちはしっかりとした「外用療法」を実践せず、systemic therapyの選択のみで治療やっていくようなことがあり得るかもしれません。また、アトピー性皮膚炎治療における三本柱の一つである「増悪因子、悪化因子の検索、除去」といった面倒くさいことには興味を示さなくなり、実際にそのような泥臭い努力は行われなくなってくるかもしれません。このような状況が進んでいく先には、アトピー性皮膚炎を皮膚科医が診るべきという必然性を自らが手放してしまう、というあまり楽しくない未来が待っているのでは、というのは考えすぎでしょうか?
さて、今回の研究会のテーマは、短く簡潔に「温故知新」とさせていただきました。このような時代にこそ、これまで先輩方が築き上げてきた古典的な皮膚科医療をしっかりと弁えたうえで、新しい時代の素晴らしい効果をもつ(であろう)治療薬の恩恵を、患者さん、我々皮膚科医共に享受していくことが重要ではないか、と考えました。

2月の宇都宮は雪は稀ですが、結構寒くなります。
珍しい名物はどうもあまり思いつきませんが、全国的にも有名な餃子が皆さんを待っております。今年はコロナウィルスのおかげでとんでもない1年になることが既に確定しておりますが、2月ごろには少しは落ち着いて研究会も開催できることを祈念しております。

2020年4月吉日

アトピー性皮膚炎治療研究会 第26回シンポジウム 会頭
獨協医科大学医学部皮膚科学講座 井川 健